近年の学力低下の事実とその対策:保護者が知っておくべきこと【原因と家庭でできること】
「今の子供の学力低下が著しい」「Z世代の子供の学力は不安」というような聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
この記事では、去年まで学校という場にいた私が現在、教育現場にて活躍されている方々10人から聞いたことを元にして、近年の子供の学力低下に対して解説していきます。
この記事でわかること。
近年の学力低下の事実:保護者が知っておくべきこと[データも踏まえて]
まず「近年の子供は学力低下をしているのか」という問いについて、答えておこう。
結論から言うと「学力低下しているとは言えない」となる。少し曖昧な言い方になったが、大枠では学力低下はしていないと言える。
以下が、私が学力低下していないと判断したデータである。いずれも文部科学省が元のサイトで見ることができる。時間がある方はぜひリンク先に飛んでみてほしい。
国際的な調査
- OECD生徒の学習到達度調査(PISA)※OECD(経済協力開発機構)において実施
- 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)
日本国内の調査
- 全国学力・学習状況調査等
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa
学力低下していると言われている理由
さて、先ほど述べたように近年の子供たちの学力は低下していない。
ではなぜ、学力低下していると言われているのだろうか。
そこには次の4つの理由がある。
- 実際に学力低下を起こした「ゆとり世代」とのギャップ
- メディアの社会の関心をひくためのネガティブな報道
- 学力低下をしている層と学力が高い層の二極化が進んでいる
- 複雑な教育課題を単に「学力」で語っている
この中で私が特に「これだな…」と思うものは二つある。
一つ目は「メディアの社会の関心をひくためのネガティブな報道」だ。これだけ聞くと、あまり思いつかない人も多いと思う。
では、最近で子供の学力について、ネガティブな報道はなかったか?少し考えてみてほしい。
そう。「2025年度全国学力・学習状況調査」において数学の正答率が5割を下回ったと言う報道だ。これだけではあたかも、子供たちが「学力低下」したような印象を視聴者与えてしまう。
本来であれば、実際には先ほど挙げた「PISA」や「TIMSS」のことを触れることが、あるべき報道ではないだろうか。メディアはつくづく偏向報道とまでは言わないが、社会の関心をひくために、偏った報道をしてしまうことも知ってほしい。
二つ目は「学力低下をしている層と学力が高い層の二極化が進んでいる」だ。
これは実際に教育現場で働いている10人全員が感じている事だった。
いわゆる、中間層が減っているのだ。これには、学校現場だけでは教えきれなくなった、「教育課程の広さ」が原因の一つだという教師がいた。
また、スマートフォンやインターネットの普及により、子どもの学習時間や集中力、生活習慣に変化が見られ、学習意欲の低下や、座学に集中できない子どもが増えたと感じる教員もいる。その一方で、スマホ一つで優秀な講師の授業を見られる「スタディサプリ」などのオンライン教材が広がったという側面もある。
これでは、教育格差ができやすい事は一目瞭然だろう。
まとめ
これまで、最近の子供の学力低下について話してきたが、如何だっただろうか?
現在、世間で言われているように子供の学力低下は全体で見るとしていないということがわかるが、中間層が減り、上下の格差が大きくなったと言う意見もある。個人的には、塾やオンライン学習が発展した影響、学習範囲の広がりなどの原因で格差が広がっているのではないのかなと考えている。
この記事の次は、学力低下を起こしてしまった子供達に向けた対策を述べていこうと思う。特にスマホを用いた対策を紹介していこうと思う。